盆踊り

夏の風物詩、盆踊り。子どもにとっても大人にとっても、夏の盆踊りは風情あるものです。

夏になると、日本各地で盆踊り大会が開催されます。浴衣を着て一緒に円になって踊ったり、屋台でごはんを買って食べたり、日本の夏を表す象徴的なひとこまです。盆踊りの音を聞くと、だれでも夏の到来を感じられるものです。

◎盆踊りとは

盂蘭盆 (うらぼん)のころに老若男女が広場などに集まっておどる踊り。本来は盆に迎えた精霊 (しょうりょう)を送り返す行事といわれています。

「盂蘭盆(うらぼん)」とは、いわゆるお盆のことを指します。盆踊りはそのお盆の時期に踊るものを言います。

◎盆踊りとやぐら

お盆の時期は、ご先祖様の霊が家に戻ってくる季節のため、その霊を供養する意味があります。お盆になると、仏間に提灯を飾ったり豪華なお供え物をするのも、ご先祖様の霊を迎えるための儀式。そして盆踊りも、亡くなったご先祖様の霊を迎えて供養する意味が込められています。

盆踊りでは、公園や広場などにやぐらを組んで、そのまわりを踊っていきます。このやぐらには提灯が多数飾られますが、これはご先祖様の霊を迎えるときに使われた火を再現しており、ご先祖様と会話する意味があるのです。

◎日本三大盆踊り

盆踊りにはいくつかの種類があり、特に「日本三大盆踊り」として有名なのが次の3つです。

・阿波踊り

かつて「阿波国」と呼ばれた徳島県を発祥とする盆通りが、阿波おどり。400年もの歴史があり、阿波おどりの踊り方は時代とともに変化していきました。現代では大きくわけて3つのスタイルが主流。荒々しく高く飛んだり激しく蹴り上げたりする「阿呆流」、ゆったりとしたテンポで優美に踊る「娯茶平流」、おおらかで陽気な「のんき流」があります。

・西馬音内の盆踊り

秋田県羽後町の西馬音内(にしもない)盆踊り。独特のカラフルな伝統衣装を身にまとった女性たちが編み笠を手に踊る様子は圧巻。なんと700年以上の歴史がある伝統的な盆踊りです。人口わずか1万4000人ほどの小さな町ですが、盆踊りの時期には3日間だけで10万人以上の観光客が訪れ、町がひときわにぎわいます。

・郡上おどり

岐阜県郡上市八幡町で400年以上続く「郡上おどり」は、夜通し徹夜で踊ることで有名。盆踊りの期間は7月中旬から9月上旬と、かなり長い期間行われますが、もっとも盛り上がるのは8月13日から16日までの4日間。この間は夜の8時頃から翌日の朝まで踊り明かします。観光客の飛び入り参加ももちろんOK。疲れたら休憩しながら、とことん踊りまくる楽しさがあります。

盆踊りは各地域ごとに発展してきた歴史があるので、踊り方や楽曲もさまざま。地方ごとにそれぞれのやり方があります。

また、時代の移り変わりとともに、音楽や踊りが変わってきた盆踊りもあります。日本三大盆踊りや、盆踊りの定番の曲として有名な「東京音頭」など、民謡にあわせて踊るものもありますが、現代風に変化している盆踊りもあります。

例えば、氷川きよしの楽曲「きよしのズンドコ節」、子どもたちに人気のキャラクター、ドラえもんが登場する「ドラえもん音頭」、荻野目洋子の楽曲「ダンシング・ヒーロー」、ボン・ジョビの「Livin’ On A Prayer 」を流すなど、現代の人々も楽しめる音楽も使われています。

盆踊りを踊りたくても、踊り方がわからず参加できない…という方もいるかもしれません。まわりの人を真似しながら、少しずつ始めてみましょう。

盆踊りは、日本ならではの文化で夏らしさを全身で体験できる行事です。盆踊りが行われていたら、ぜひ恥ずかしがらずに参加して踊ってみて下さい。

また盆踊り大会が行われなかったとしても、盆踊りの曲をかけて夏のひとときを楽しんでみるのはいかがでしょうか。